田舎者の私の家族に、たまには都会へ行ってみたいとせがまれて、1月2日、3日と1泊で出かけた。
前回、高速バスで出かけ、何人も患者さんに会ってしまったので、今回は自家用車で行くことにした。
都内の車での移動は不安だったので、まずホテルへ行き、車を置いて行動することにした。
朝、10時頃ホテルへ到着。
車を駐車場へ入れ、荷物を預けて出かける。
「チェックインは1時半から出来ます。」と言われる。
3時半にホテルへ戻りチェックイン。
ところが、部屋の掃除がまだとのことで、ロビーで10分待つように言われる。
ロビーの椅子は、何とソファでなくパイプ椅子。
おまけに数も少ない。
女房は、最初立って待っていた。
ここって一応名の通った一流ホテルと思っていたのだが...
結局、20分程待たされて部屋へ入ることが出来た。
夜は、そのホテルでショーを見ることになっていた。
食事付きもあるというので、予約をしようとフロントで訊いてみる。
「会場内でも食事を注文して食べることは出来ますが。」と言う返事。
パンフレットに、わざわざ、ディナー付きもあり予約が必要と断ってあったので、そのフロントの言葉がちょっと不安だった。
「6時開場、7時開演なので、6時に行って、開演を待つ間に中で注文して食事を取れるということですね。」
と、念を押す。
「そうです。」
との返事。
6時丁度に会場へ行く。
ワンドリンク付きなのでそれを受け取り、中へ入る。
小さな丸テーブルの周りに椅子が並んでいる。
食事の皿をいくつも並べるスペースはない。
嫌な予感が...
テーブルの上のメニューを見る。
飲み物と、ナッツの盛り合わせしかない!
「食事は出来ないんですか?」
「予約でディナー付きもありますが、予約のみですので、ここでは食事は出来ません。」
「フロントで出来るって聞いたんですが...」
「何処のフロントですか?」
「新館です。」
「そっ、そうですか?申し訳ありませんが、食事は、予約のコース料理だけです。」
空腹で1時間も待つのもたまらない。
一旦外へ出て、食べることにした。
「外で食事をしてきても良いですか?」
「結構ですが。」
「このドリンクはどうすればいいんですか?」
「....」
当然、ホテル側の落ち度なので、「後でもう一度お出しいたします。」と言う返事だと思っていたが、無言。
そのまま、飲み物は置いてそこを出た。
あまり時間もないので、ホテル内のファーストフードの店で済ませる。
豪華な夕食を食べようと思っていたのに...
7時10分前に会場へ。
「申し訳ありませんでした。お飲み物をどうぞ。」と、渡してくれる。
そうだよな。これが普通の対応だよな。
しかし、渡されたワインは全く冷えていないし、ジュースには氷も入っていない。
これって、さっき渡されたものってこと?
まあ、ショーさえ良ければいいさと気を取り直し期待して待つ。
ラスベガスなどでセレブを魅了したイリュージョンだという。
いよいよ始まる。
スモークがたかれ、スポットライトが当てられ男性のマジシャンが登場。
ステージには、丁度人間が入る大きさの箱が立てて置かれている。
まさか、女性が登場しこの中に入って、板を刺して、「切断」とかするんじゃあないよな?
ちょっと嫌な予感。
しかし、見事に予想通りにステージは進行していく。
女性が箱に入り、顔、足、胴体などが上下に入れ替わると言う昔からのマジック。
間近で見ると、胴体や足は明らかに作り物なのがよくわかる!
これが、イリュージョン!?
ステージの装置を入れ替える間に、ミニマジック。
破いた新聞が1枚に戻るという、これまた昔からの手品。
次は、女性が椅子に座り、胴体が横になり浮き上がという手品。
これも子どもの頃よく見た。
椅子から支えの板が出て、女性を持ち上げているのがよくわかる。
こんな手品のオンパレード。
最初は、こういうオーソドックスなもので、最後にはものすごいイリュージョンが見られるのだろうなと最初の数分は期待していた。でも、次々と箱物の同じような手品が繰り返される。
どれも、ネタが見え見え。
いっそのこと、ネタばらしのショーにした方が受けるのではないか?
光や音の演出は派手だが、その手品の内容たるや....ショボイ、ショボ過ぎる。
拍手をする気にもなれなかった。
途中の余興?に出てきたジャグラーのワザの方が見応えがあり、こちらは、素直に拍手を送れる。
ラスベガスのセレブのレベルが低いのか、キャッチフレーズが偽りなのか、ホント、がっかりだよ!
イリュージョンという言葉に惹かれた、田舎者が馬鹿だった。
豪華なディナーを食べながら、素晴らしいショーがみられセレブの仲間入りが出来ると夢を描いていた。
でも、現実は、ファーストフードで夕食を済ませ、生暖かいワインを飲みながら昔ながらの手品を鑑賞する夕べであった。
今年もまたトホホな1年が始まってしまったようだ。
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