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耳鼻科より床屋さん

58歳の女性。
左の頬が真っ赤に腫れたとのことで来院された。

「これは、皮膚にバイキンが入ったんですね。鼻とは直接関係ないと思います。皮膚の病気ですね。」
「皮膚の病気ですか?じゃあ、皮膚科へ行った方が良いですか?」
「いえ、抗生物質の治療で治りますので大丈夫ですよ。」
抗生剤の点滴をしていっていただいた。

次の日も続けて点滴に来ていただいた。
「大丈夫かね。元に戻るかね。こんなになっちゃって。」
「大抵は、3,4日のうちに軽くなっていきますから。」
「皮膚科の先生に診てもらわなくてもいいかね?」
「やることはいっしょですから大丈夫ですよ。」

3日間点滴を続け、4日目には少し改善が見られた。
もう安心していただけるかと思ったが、
「本当に元通りの顔になるのかね?」
「大丈夫ですよ。戻りますよ。」

5日目には、顔の赤みも腫れもかなり取れてきた。
ここまで来れば、こんどこそ安心にしてくれるかと思ったが、
「前と同じ顔にもどりますかね?皮膚科へ行った方がいいですか?」
まだ心配していらっしゃる。
最初に「皮膚の病気」と説明したのがずっと気になり、当院は専門医ではないからと不安で信頼していただけない。

かなり治ったが、再発もしやすいので、数日は内服を続けてもらうことにした。

2週間くらい経って、再診された。
顔は、殆ど普通に戻っている。
「まだ、時々、腫れたり、赤くなったりするんです。鼻の中や耳や頭まで痛くなる日もありますが、大丈夫でしょうか?」
「顔も、普通に戻りましたから、心配ないと思いますが、時に再発することはあります。このくらいになれば、もう、大丈夫でしょう。」
「顔もまだちょっと腫れていますが、元に戻りますか?近所の床屋さんが、首から上は大事だから、しっかり、検査してもらえって言うんですが...」

私がいろいろ説明しても信じてはいただけないが、その床屋さんはよっぽど信頼が置ける人らしい。

「床屋さんが、ほっぺが痛い人がいて、調べてもらったら、頭の中に腫瘍が出来ていた人がいたって言ってました。CTとか病院で検査してもらわなくて大丈夫でしょうか?」

患者さんのそう言う話は、よくよく訊いてみると、全くその人には当てはまらないことが多いものだが、この方には、私がいくら話しても通じそうにない。

「じゃあ、病院でCTの検査をしてもらいますか?」
「そうですね。首から上は大事だよって床屋さんに言われたんで。」

結果の説明は、床屋さんに代わってやってもらうのが良さそうだ。
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by InTheEar1 | 2007-02-21 20:57 | その他の病気