カテゴリ:診察室( 6 )

クチャクチャ

40歳の男性。
診察室へ入って来られる。
口がクチャクチャと動いている。
誰が見てもガムを噛んでいるのは明白だ。
今までもガムのネタはここへ何回か書いたが、どうどうと咬みながら入ってこられる患者さんは初めてだ。
いつもは、ちょっとした口の動きを見て、「まさかガム噛んでないよな?」という疑い程度で、のどを診察するとき、「やっぱりガム噛んでた」とウンザリするのだが、この方は、ガムを噛みながらの診察に何のためらいもない様子だ。

「どうしましたか?」
「耳がつまった感じがするんです。(クチャクチャ)」
「いつからですか?」
「3日くらい前からです。(クチャクチャ)」
「どちら側ですか?」
「右側ですけど、(クチャ)、左も少し変です。(クチャクチャ)」
「風邪の症状はありますか?鼻水とか咳とか。」
「鼻は、1週間程前から出ています。(クチャクチャ)咳は、少し出ます。(クチャ)」

私の診察意欲はゼロ。
「ガムなんか噛みながら診察に来るなんて」と、言えれば、どんなにすっとするだろうが、医療は、サービス業であり、患者様を怒らせるわけにはいかない。
そんなことを言ってしまえば、私は、また、傲慢な医者だと言われてしまう。

こんなことを思いながら、何も言うことも出来ずに、一応型どおり耳、鼻、のどを診る。
のどを診るとき、看護師が見かねて、ティッシュを患者さんに差し出した。
耳鼻科の診察では、看護師は患者の後側に立つので、患者の顔は見えないが、後ろにいても、ガムを噛んでいることがはっきりわかったようだ。
そういえば、子どもの診察をするときは、口の中にお菓子などが入っていないか確認し、入っていれば、出させてから診察せよと教科書に書いてあった。
口に入れたままだと、びっくりしたり、泣いたときに、気管支異物になる可能性があるからだ。

この大人の患者さんは、素直にガムを出してくれた。

「まだ、味が残っているから、もう少し噛ませてください。」
と、駄々を捏ねる人でなくて良かった。
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by InTheEar1 | 2007-04-04 20:54 | 診察室

予約の電話

昼休みに電話が鳴る。

「予約は出来ますか?」
「出来ますが。何時がよろしいでしょうか?」
「予約しておけば、時間に行けば、すぐに診ていただけますか?」
「今は、込むシーズンですので、待ち時間がどうしても長くなってしまうのですが、予約していただいた方は、なるべく30分以内にお呼びするようにしていますが。」

「私は、仕事中抜け出していくので、待つと言うことが出来ないんです!」

予期しない応答に、一瞬言葉を失い、絶句!!

「待ち時間無しで診察をと言うご希望でしょうか?それは、あなたが来院されたら、その時診察中の患者さんの診察を中止して、待合室で待っている人全員の順番を抜かして、あなたをすぐに診察室にお通しして、診察をするようにというご希望って事ですか?そんなことが可能だとお思いでしょうか?なぜ、あなただけをそれ程までに特別扱いにしないといけないのですか?」

って、言えたら、どんなにか気持ちが良いだろうが、なかなか実際には言えない。

「なるべく早くお呼びできるように心がけておりますが、どうしても待ち時間は出来てしまいます。」
「そうですか。じゃあ、ちょっと考えてみます。」

どうしても、早く診ろとゴネないだけ、まだ、まともな人のようで良かった。

受付に来て、
「○○時までにここを出ないといけないんです。
とか、
「○○時に、歯医者さんの予約があるんです。」
などともよく言われる。。
でも、そんな事言われたって困るんですよね。
既に待っている患者さん皆に、こういう理由なので先にしてくださいと許しを請うていただければ、問題ないんですけどね。
大塚愛画像
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by InTheEar1 | 2007-03-09 20:56 | 診察室

12月31日の当番医

とうとう、12月31日に当番医が回ってきてしまった。
開業後初めての経験。
当院は、今年は28日まで診療し、29日、30日とお休みだったが、29日も朝8時頃から病院の電話が鳴っていた。
「31日は診療しますので、29日・30日は勘弁してください!」
と、心の中で勝手に叫びながら、申し訳ないが、病院の電話は無視させてもらった。

そして、迎えた今日。
やっぱり込むんだろうなあとちょっと憂うつな朝を迎える。
予想通りで、まるで、花粉症最盛期のような繁盛状態!
1時までかかって、70人くらい診させていただいた。
午後も、結構患者さんは多く、全部で104人!
やっぱり長期の休みは行き場が無くて困っている患者さんは多い。

入り口を閉めて、片付けをしていて、約30分後、
「お疲れ様。来年も宜しく。」
とスタッフに挨拶した瞬間に病院の入り口のインターホンが鳴る。

診察依頼だった。
断りたい気分だが、そうも行かず、応じる。

「仕事が6時までだったので、終わってから来たので、こんな時間になってしまいました。」

(うちも仕事は、6時までなので、時間が来たら終わりたいんですけどね!なぜ、当院があなたの都合に合わせて診療を行い、大勢のスタッフに残業させなければいけないの!)

と、嫌みのひとつも言いたいところ。
勿論、急患はこの限りではない。
でも、この方、症状は数日前からあり、今日も普通に仕事を勤めることが出来る状態なので急患ではない。
でも、もう、閉めてしまった入り口のインターホンを押すのは結構勇気がいっただろう。

この、本日105人目の患者さんが今年最後の患者さんでありますように。

では、後半かなりサボってしまったブログですが、来年もたまには更新するつもりですので、宜しくお願い申し上げます。
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by InTheEar1 | 2006-12-31 21:01 | 診察室

私を誰だと思っているの!

50歳台のおばさん。
耳垢がたまったようだとのことで受診される。
特に問題なく診察終了。

終わってから、受付でタクシーを呼ぶようにおっしゃったらしい。
数人会計待ちがあった。
事務員は、すぐに呼んでも、会計が終わる前にタクシーが来てしまうと、ただメーターが上がってしまい、余分に料金がかかってしまうと考えて、少し経ってから呼ぼうと思っていたようだ。

この患者さん、お急ぎのようで会計の催促に来た。
「会計はまだなの?」
「申し訳ありません。もう少々お待ちいただきます。」
「タクシーは呼んだの?」
「はい、ただいまお呼びいたします。」
「えっ?まだ呼んでないの!!あなた、さっき呼ぶって言ったわよねえ!嘘だったの!すぐに呼びなさい!!」
と、ブチ切れ!
かなりお急ぎで、会計が終わったらすぐにタクシーに乗りたかったご様子で、ちょっと対応がまずかった部分もある。

でも、赤の他人に命令形を使うなんて普通はあり得ない。

会計が出来ると、保険証を持たずに、お金を放り投げて出ていかれた。
保険証だけはお返ししないとと、たまたま仕事を手伝っていた、女房が後を追いかけて、外へ出た。

「あなた、奥さんなの。先生は、まあ、良かったわ。でも、あの事務員は何よ!なんて名前?」
「職員教育がゆきとどかずに誠に申し訳ございません。」
「私を誰だと思っているの!私は、○○をやっているのよ。それに、私の妹は○○を経営しているのよ!ご存じないの!!」
女房は、全く存じ上げていなかったのだが、更に逆上させてはまずいと思い、
「存じ上げております。誠に失礼いたしました。」と、ひたすら謝る。
「もう、二度と来ませんからね!病院なんて他にいくつもあるんだから!」
「申し訳ありません。」
女房は、ものすごい威圧感を感じ、土下座まで考えたらしい。
女性は、タクシーに乗り込む。
タクシーがちょっと動き出してから、その女性が再びドアを開け
「じゃあ、頑張ってやってネ!」

女房は、悔しかったと泣きながら話をしてくれた。
二流のテレビドラマにでも出てきそうな信じがたい現実のシーン。

私は、まあまあの評価を下していただき光栄だ。
それに、二度と来ないと宣言してくださったのが何よりも嬉しい。
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by InTheEar1 | 2006-12-21 21:13 | 診察室

いるの、いらないの?

70歳のおばあさん。
慢性副鼻腔炎で受診中。
いつも話が長くて長くて長くてうんざりしてしまう。
私は、よっぽど話が長い人でも、我慢して最後まで聞くが、この方は、どうしても、長過ぎて長過ぎて長過ぎて、我慢の限界。
今日は、土曜日でもあり、込むのでいつもよりちょっと早く終わりにしたかった。
きょうも、お話しが長くて長くて長くてイライラしていた。

やっと症状の話が終わったので、
「じゃあ、薬をまた出しますからね。」
「薬まだ飲まないといけないですか?」
「濃い鼻がまだ出ているので、飲んだ方がいいと思いますが。」
「ちょっと胃の具合が...」
「じゃあ、胃薬出しますね。」
「でも、ここのところは少し良くなってきているんです。」
「じゃあ、いらないですか?」
「どうしようかしら?この間は、家にあった薬を飲んだので、良かったんですがね...」
「まだ、薬はありますか?」
「そうですね、もう、終わってしまって...でもずーっと飲む必要もないと思いますが...」
「今、飲む薬が無いようならば、出しますし、どうしますか?」
「食事を食べると、食べた後にちょっと胸が焼けて、たまに痛いこともありました。今は治ったんですけどね。」
「じゃあ、出さなくてもいいですか?」
「でも、また悪くなったら心配だし...」
「調子の悪いときには、少し、こちらの薬は休んでもいいですけどね。これから、悪くなったときに飲む胃薬は、もう、無いって事ですか?」
「去年の夏に、胃の具合が悪くなってしまたんです。ガスターと...」

いい加減、私も切れそうになり、話の途中で遮ってしまった。

「どうしますか?出しますか?いらないですか?」
「今は、胃の調子は悪くないんですけどね...」
「じゃあ、胃薬は無くていいですね!」
「でも、やっぱりもらっておきます。」
「じゃあ、一緒に出しておきます。それでは、向こうで、鼻の吸入をしていって下さい。」

今回で治ってくれることを祈ります。
もし、次、来るなら平日の空いているときにね。
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by InTheEar1 | 2006-05-20 21:06 | 診察室

土曜日の祝日

おとといの金曜日の日何件か予約の電話があった。

「明日の予約をお願いしたいんですけど?」
「明日はお休みですが...」
「じゃあ、直接行けば診ていていただけます?」
「ですから、明日は、休診なので、診療はしないんです。」
「土曜日は、いつもやってますよね。明日だけ休診なんですか?」
「いつもは、午前中はやってますが、明日は、祝日なので休診です。」
「あーあ、そうか。」

別の患者さん。
「明日の予約をしたいんですけど。」
「明日は、祝日なので、休診です。」
「土曜日は休診になったんですか?」
「そんなことはりませんよ。明日は、祝日ですので、日曜・祝日は、カレンダー通り
でお休みをいただいておりますが。」

こんな電話が何件も。
やっぱり、一般の人は、週休二日が当たり前なのね。
患者さんは、いつも土曜日は仕事が休みだから、土曜日が、祝日かどうか何て全く気にしていたいようだ。

毎週土、日連休はやっぱり羨ましい。
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by InTheEar1 | 2006-02-12 21:11 | 診察室