田舎者のお江戸への旅

次男が、高校入試に合格した。
合格したら、あるものを買ってあげる約束をしていた。

ご褒美の買い物を兼ね、春休みでもあり、ちょっと旅行気分も味わおうと、家族でお江戸へ出かける事にした。
ど田舎からお江戸まで、車を何時間も運転するのは疲れるので、日帰りで高速バスで行くことにした。
家族で、高速バスで出かけるのは初めて。

途中の休憩所で、降りていく乗客を眺めていて思わず顔を伏せた。
時々来る患者さんの親子が一組。
その後、また見たことある人が、一人、そして、もう一人。
何と4人も見覚えのある顔が...
人口の少ない田舎町なので市内で買い物をするときも、知ってる顔をよく見かける。
別に悪いことをしている訳じゃあないが、何となく患者さんと病院の外では顔を合わせたくない。

お江戸には6時間あまり買い物などに費やして、帰りのバスに乗るためターミナルへ。
なんかこちらを見ている人がいる。
嫌な予感。
やっぱり、また、患者さんだ。
来るときの便で見た患者さんは、名前や病名までは思い出さないが、この患者さんは、病院時代から何年も来てくれていた人。
名前は思い出せないが、どんな病状で、どんな薬を出していたかまで覚えている。

よっぽどよく来てくれる患者さんでない限り、顔はわかっても、名前も病気も殆どの場合、申し訳ないが覚えてはいない。
「この間はどうも。お陰様で良くなりました。」
何て時々、家族が受診したときに言われても、どんな疾患でかかったか全く思い出さないことが殆どだ。
昨日来た患者さんも、最近来たと言うことは覚えていても、それが、昨日だったかどうか覚えていないことも多い。
だから、診療時以外に患者さんと会うのが嫌なのは、病気のことを言われて困る事が理由の一つなのだろう。

このよく来てくれていた患者さんも、ここ、2,3年は来ていない。
先の理由だけなら、病状を覚えている患者さんは、話をしてもいいのだが、休日まで気を遣って病気の話をするのはウンザリだったり、何か面倒くさかったり、女房・子供を見られ、買った荷物を見られと、私生活の一端を知られるのが嫌だったりなどなど、いくつか他にも理由がある。

目を合わせないようにしていたが、丁度、バスの乗車口で一緒になってしまった。
「こんにちは。お久しぶりですね。最近は、調子いいですか?」
何て声をかける。
決して調子が良い訳ではないが、受診しなくなった経緯などを詳しく話してくれる。
出発時刻が迫っていたので、
話は途中で終わった。
私は、乗るバスを間違えていて、患者さんは2号車、私は1号車だった。
最初から、1号車へ行っていれば、話をせずに済んだのに...

ちょっと、ほっとして、バスに乗り込む。
うわっ!

中には、また、見覚えのある顔が...
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by InTheEar1 | 2006-03-22 21:18 | 自宅


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