私を誰だと思っているの!

50歳台のおばさん。
耳垢がたまったようだとのことで受診される。
特に問題なく診察終了。

終わってから、受付でタクシーを呼ぶようにおっしゃったらしい。
数人会計待ちがあった。
事務員は、すぐに呼んでも、会計が終わる前にタクシーが来てしまうと、ただメーターが上がってしまい、余分に料金がかかってしまうと考えて、少し経ってから呼ぼうと思っていたようだ。

この患者さん、お急ぎのようで会計の催促に来た。
「会計はまだなの?」
「申し訳ありません。もう少々お待ちいただきます。」
「タクシーは呼んだの?」
「はい、ただいまお呼びいたします。」
「えっ?まだ呼んでないの!!あなた、さっき呼ぶって言ったわよねえ!嘘だったの!すぐに呼びなさい!!」
と、ブチ切れ!
かなりお急ぎで、会計が終わったらすぐにタクシーに乗りたかったご様子で、ちょっと対応がまずかった部分もある。

でも、赤の他人に命令形を使うなんて普通はあり得ない。

会計が出来ると、保険証を持たずに、お金を放り投げて出ていかれた。
保険証だけはお返ししないとと、たまたま仕事を手伝っていた、女房が後を追いかけて、外へ出た。

「あなた、奥さんなの。先生は、まあ、良かったわ。でも、あの事務員は何よ!なんて名前?」
「職員教育がゆきとどかずに誠に申し訳ございません。」
「私を誰だと思っているの!私は、○○をやっているのよ。それに、私の妹は○○を経営しているのよ!ご存じないの!!」
女房は、全く存じ上げていなかったのだが、更に逆上させてはまずいと思い、
「存じ上げております。誠に失礼いたしました。」と、ひたすら謝る。
「もう、二度と来ませんからね!病院なんて他にいくつもあるんだから!」
「申し訳ありません。」
女房は、ものすごい威圧感を感じ、土下座まで考えたらしい。
女性は、タクシーに乗り込む。
タクシーがちょっと動き出してから、その女性が再びドアを開け
「じゃあ、頑張ってやってネ!」

女房は、悔しかったと泣きながら話をしてくれた。
二流のテレビドラマにでも出てきそうな信じがたい現実のシーン。

私は、まあまあの評価を下していただき光栄だ。
それに、二度と来ないと宣言してくださったのが何よりも嬉しい。
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by InTheEar1 | 2006-12-21 21:13 | 診察室


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